競演者
毎年この時期にしか会うことのない笑顔一杯の青年を紹介します。
「僕、オヤジの仕事手伝いにきてるんです。」
と照れくさそうに言いながら大きな汗を流していたのは、彼が中学生の頃でした。
あれから20年近くたちましたが、未だにお互いの名前も知りません。
けれども、阿波踊りの桟敷の組立が始まると決まってここに現われて、陽に焼けた顔でわたしに声をかけてくれます。
「久し振りです!元気にしよりましたか?」
最近では、オヤジさんをかばいながら若い仲間に指示を出して手早く桟敷を組み立てていきます。
彼らは、みるみるうちにわが家の前の公園を阿波踊りの演舞場に仕立て上げます。
毎年阿波踊りの4日間、踊り子たちを眺めながら、見る阿呆の私は、心の中でこの裏方さんたちも一緒に楽しそうに踊っている姿を思い浮かべています。
桟敷の出来上がるのを心待ちにして、今日も夕暮れになると踊り子達が練習にと集まってきます。


